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航と一緒にココアを飲みながら、こたつでぽかぽかと冷えた身体を温めた。
つん、とこたつの中で足がぶつかる。
「あっ、ごめん」
航が足を引っ込めようとするから、僕は逆に伸ばしてやる。
航の足を突いて、絡めて、くすぐってあげる。
「ふふ、奈津、くすぐったいよ」
こたつの中でもぞもぞと足を動かすのは、見えなくて、面白い。
すぐに航も応戦して、長い足に絡め捕られた。
「つかまえた」
じたばたと逃げようとしても、航の方が力が強い。
むっとして口元を膨らますと、航はいつも観念したように僕を解放してくれる。
「奈津がいっつも可愛い顔するから、俺許したくなっちゃうじゃん」
苦笑しながら言うから、僕はまたぷくっと頬を膨らます。
航がふわ、と笑ってくれるから。
可愛いかどうかは自分ではわからないけれど、航が好きだと言ってくれるから。
「もう一杯飲みますか?」
「はぁい」
航が手を差し伸べてくれたから、マグを手渡した。
最近は、航に甘えるのが楽しくて仕方がないのだ。
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