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「見て見て!」



休日。
航が僕の手を引いて、部屋に呼んでくれた。
早く早く、と僕を急かして。

航の部屋に入って目に飛び込んできたのは、布団がかかっているテーブル。



「こたつ!寒いからやっと出したんだー」
「こたつ、」
「奈津、初めて?」



こたつ、というらしい。
僕が頷くと、航は嬉しそうな顔をして僕を手招きした。
テーブルの横からはみ出ている布団に、足をもぞもぞと入れる。
ほわ、と中は温かかった。



「あっ……あった、かいっ……」
「でしょー?」
「ぬくぬく……」



部屋全体を温める暖房とも違う、一部を温めるストーブとも違う。
お布団が、僕の身体をぽかぽかと暖めてくれた。

航がマグに入ったココアを持ってきてくれた。
向かい合わせに座って、にこにこ笑ってくれる。



「あったかいねー」
「ん、」



ココアは、身体の中から僕を温めてくれた。

冬は寒いけれど、嫌いじゃない。
温かいと思うことは、幸せだと思った。



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