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side.航



今までお互いの部屋を行き来していたからだろうか、俺の部屋が恋しいのかもしれない。
断る理由もないので、移動した。



「全っ然変わってないだろ、って……え……?」



部屋に入った瞬間。
奈津はぎゅっと俺に抱きついてきて。



「は……」



大きく、息をついた。
背中に回った腕に力がこもる。



(……これはこれは……)



奈津をしがみつかせたたまま、ずるずると玄関からリビングへ移動する。
ソファにどっかり座って、奈津は俺の膝の上へ。



「……甘えたかった?」



返事の代わりに、こくりと頷かれる。
こういうとこ、奈津はずるい。



「こうの、においがする……」



くんくん、と首元を嗅がれた。



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