6
side.満月
小さな身体をずっと見てきた。
傷ついた背中を、ずっと見てきた。
(……どうか、)
どうか、この子に、幸せを。
そう願って、生きてきた。
数年経って。
今腕の中にある温もりは、随分大きくなっていた。
まだまだ小さいけれど、確かに、そこにいて。
前を向いて、生きていて。
「………ありがとう」
口の中で、呟いた。
前へ
top
次へ
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -