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side.航
「こう、」
きゅ、と奈津も抱き締め返してくれる。
「っ……すき」
小さな、小さな声。
ちらりと顔を見ようとすると、ぐりぐりと肩に頭を埋められる。
「なーつ?」
「……顔、見ちゃやだ……」
耳まで真っ赤になって。
ふふ、と笑って耳にキスをする。
「っ、」
ぴく、と反応したのをいいことに、耳元で話続ける。
「顔見せてくんなきゃ、ちゅーできないよ?」
「う、」
「したくない?」
「……たい……」
消え入りそうなほど小さな声は、しっかり俺の耳に届いた。
おずおずと顔を見せてくれて、ちらりと目が合う。
にこりと笑うと、奈津も恥ずかしそうに笑った。
(……かーわいいな、ほんと)
ちゅ、と軽いキスを落とすと、きゅ、と裾を握られる。
もう一度口づけて、
「んっ、……ふ」
舌を絡めると、少しだけ返してくれて。
きゅう、と握りしめる力が強くなる。
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