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side.航



「一人で抱え込まないでって、言っただろ」
「っ……だって、」
「だってじゃない、どうせ我が儘言ったら、俺に迷惑かけるとか思ったんだろ?」



図星だというように、奈津がびくっ、と反応した。



「好きなこに必要とされて、迷惑なわけあるか」



腕の中にいる奈津の頭を撫でると、小さくごめんなさい、と謝られた。



「やっぱり、ずっと一緒にいられないのは仕方ないけど、俺の知らないとこで、泣かないで」
「っ……ん、」
「……あー、時間過ぎちゃってる」
「っ!」



奈津の身体が固くなる。
俺はふふ、と笑って、奈津の頬にキスをした。



「今日はいーの、お泊まりするから」
「え……?」
「ちゃんと病院の先生から許可もらってる。ずっと一緒いられるよ」



びっくりしたのか固まってしまった奈津は、くしゃりと顔を歪めてまた泣いてしまった。



「久しぶりに、一緒に寝よっかぁ」
「ん、ん……!」
「あー奈津の匂いする」
「こう、こう……」



同じベッドに入って、奈津をぎゅっと抱き締めた。
奈津は俺にすりよって、安心したように息をもらした。



「こ、こう、」
「ん?」
「すき、だいすき」
「……うん、俺も、だいすき」



また同じ場所に帰ろう。



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