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side.航



軽く触れるだけのキス。
唇をぺろりと舐めると、おそるおそる口が開いた。
慣れてきたもんだな、と頭の片隅で思いながら、有り難く舌を絡めた。



「……んっ、ふ……」



鼻をつく、奈津の声。
うまく息が出来ない奈津のために口を離し、唾液を拭った。

呼吸が整ったところで、もう一度。
最初っから深いキスをすると、



(………!?)



奈津の舌が、反応を返してきた。

今までは、どうしていいのかわからないようで、逃げそうになる奈津のそれを俺が噛んだり吸ったりしていたのだけど。



「ん、う……んんっ、」



……いつの間に覚えたんだろう。



「っあ、っ!」



するりとシャツの中に手を突っ込むと、奈津がびくっとした。

キスで潤んでしまった目をこちらに向けて、おず、と口が開く。



「す、する、の……?」
「奈津は嫌?」
「っ……ヤじゃない、け、ど」



学校だから、と奈津が俯いた。
耳が真っ赤だ。
そんなところも、愛しい。



「じゃ、今はぎゅーだけな?」



また、抱き締めてあげる。
ほっと奈津の身体から力が抜けて、俺の背中に腕が回ってきた。



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