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部屋に入ってすぐ、薬を飲んだ。
何だか胸騒ぎがしたから。

航は僕のこと、嫌いって言ったわけじゃない。
僕だって、好きだ。
でも僕は、航に、何もしてやれてない。
いつも頼ってばっかで、航のことは、ちっとも知らない。

我慢、させてる。
いつか嫌われるかも、しれない。



「……奈津?」
「あ……」



いつの間にか寝てしまっていたらしい。
航が僕を揺すり起こしてくれた。



「起こしてごめんな、飯、食った?」
「食欲ない、から……今日はいい、」
「ん……じゃ、軽くゼリーみたいなの買ってくるし、風呂入っときな?」



頭を撫でられて、大好きな優しい笑顔を向けられる。
航はまだ、僕のそばにいてくれる。
今は、の話。

航がご飯を食べている間にお風呂に入って、少しだけゼリーを食べた。
やっぱり半分も、食べられなかった。



「おやすみ、奈津」
「……おやすみ……」



いつもみたいに、一緒に寝る。
航は僕を、抱き締めながら。



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