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「………あ」



目を覚ました。
一人、部屋でむくりと起き上がる。

今日は航が生徒会だったから、一緒に帰ってすぐに別れた。
もう夜だ、帰ってきてるかな。

部屋を抜け出して、向かいの航の部屋へ。
扉を叩こうとして、



「………?」



声。
誰かいるみたい。



「正直さ、どうなの」
「んー……やっぱほら、な」



会話の相手は春川くんみたいだ。



「奈津はがっつく方じゃないしさ」
「!」



突然僕の名前が出てきてびっくりした。
僕の話、してるの?



「でも一緒寝てるんだろ?大丈夫なの?」
「う……本音言えば、そりゃシたいけど!」



したい、って、何?
何を?



「高梨も健全なおとこのこだもんなーそりゃ身体もたないわな」
「っ……うるせー!」



僕は黙って、部屋に戻った。

さすがに、僕だってわかる。
何のことを話してるのか。

航は、我慢してたのかな。



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