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ある日、ねこを見つけた。
汚れていて、びくびくして、草むらに隠れていた。
ひとりなのかな、と思った。

手を伸ばすと、おずおずとねこは近付いてきた。
すり、と手に擦り寄ってきた。
僕と一緒だなと思った。

ひとりで、汚れてて。
いつも怯えてた。
でも僕には、航がいるから。
満月先生も、皆川先生も、春川くんも。
ひとりじゃ、なくなった。



「………おいで」



僕が守ってあげるよ。
僕が、傍にいてあげる。
今度は僕の番。



「ん、っ……」
「ほら、泣かないで」



航が額や頬、唇にキスをしてくれた。
やっぱり僕には、航がいないと駄目で。
このねこには、



「どう、するの……?」
「んー……飼ってくれる人探そっか」



でもこの学校の人は寮暮らしがほとんどで、自宅生は少数派だって聞いた。
見つからなかったら、



「………あ」
「……あ!」



きっと、航も同じことを思いついたはず。



「先生!」



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