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side.航



「……奈津?」



コンビニから袋をぶら下げて帰ってくると、ベッドに奈津の姿がなかった。
床にぺたりと座り込んで、胸元を握り締めている。



「っ……大丈夫か、」
「は、っ……はぁっ」
「ゆっくり息吸って」



震える身体を抱き締めて、背中を撫でてやった。
何があったのかはわからないけれど、目に見えた発作は久々のことだった。



「こっ……こう、」
「ん、大丈夫だから」
「こわ、こわい……っ」



縋るように、俺の服を握り締めた。
華奢な肩を抱き締めるたび、胸が痛くなる。



「航は、違うっ……のに、思い出し、て、」
「……!」
「嫌い、に、ならな、でっ……ごめ、なさ……っ」



……怖がらせた、?
また、思い出させた?

これじゃ、前と一緒だ。
俺はやっぱり、奈津を傷付けるしかできないんだろうか。



「ごめん、奈津、ごめんな」
「ちが、っ……僕……しあわせ、だった、」
「え?」



小さな声に、耳を傾けた。



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