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side.航



朝、喉の渇きを覚えて水を飲んでいると、奈津が身動ぎした。



「ん……」
「起きた?」
「……?」
「ちょ、急に起きたら」
「……っ!?」



奈津の動きが中途半端に止まった。
肩を抱いて、ゆっくり横にした。



「な、えっ……なに、」
「痛かった?大人しくしときな」
「あ、う……」



痛みの原因を理解したのか、奈津の顔が赤くなる。
頭を優しく撫でて、額にキスしてやった。



「あっ、ぼく、」
「ん、思い出した?」
「っ……!」



ばっと布団の中に潜り込んで、隠れてしまう。
恥ずかしがっているのが可愛くて、上から抱き締めた。



「ぼく、っ……変な、」
「え?可愛かったよ」
「っ……きらい、に……」
「なるわけないじゃん」



あんな、可愛かったのに。
奈津がそろそろと、布団から顔を出してきた。
少しだけ、涙目だ。
触れるだけのキスをすると、はにかんだように、笑ってくれた。



「……あれ」
「………」
「ちょっと熱、あるかも」



額と額をくっつけた。



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