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今は人気のない廊下を歩く。
春川くんは準備があるようで、先にいってしまった。

航と二人。
近づく賑わい。
途端、



「よっ……と」
「わ、っ!えっ」
「怖かったら顔伏せていいから」



首と足に手を回され、横抱きにされた。
航が僕を軽々しく抱き上げて、廊下を進む。
航の首に腕を回すと、にこりと笑ってくれた。
近くなった距離に、安心した。



「……え?おんな?」
「顔見えない!」
「誰だ、あいつ?」



お祭りが始まっている廊下を抜けて、教室に着く。
ざわめく声を聞きながら、僕は航の胸に顔を埋めた。
不安や恐怖を感じる反面、航がいるから大丈夫という安心感。



「はるかわー連れてきたー」
「おー!……ってどういうシチュエーション?」
「え、お姫さまだっこ」
「それいい!そんままで座って!」



春川くんの声に僕は顔をあげた。
途端におぉ!と複数の声が聞こえた。



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