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side.航



メイド服を着た奈津は、そりゃあ、もう。
元々顔立ちは驚くほど整っていたし、白い肌とか、細い腕とか、さらっさらの髪とかが、相乗効果を生んで。

押し倒したい衝動を、こらえるので必死だった。



「僕、は」
「ん?」



後ろから抱き締めていると、奈津が言葉を紡いだ。



「僕には、航だけだから、」
「っ……」
「航だけしか、いなっ……」



え。
泣いてしまった。



「え、奈津、」
「航だけ、っ……航しか、いらない……」
「………」
「いなくならないで……っ」



震える細い肩が、愛おしい。



「こっ……こう、」
「ん、そばにいる」
「こう、っ……」



不安なんだろう。
奈津の心は不安定で、すぐに揺らいでしまう。
だから俺は、支えてやる。
ずっと傍に、いてやる。



「泣かないで」
「ん、」



奈津の涙を拭く権利は、俺のものに、



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