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side.航



絶対だめだ。
あんなメイド服着せて奈津を人前にやったら、何が起きるかわからない。
……まぁ、避けられないのは、わかってるけど。



「っじゃ、じゃあ、一回試しに着て、サイズ合わなかったらまた連絡してな!」



春川が逃げるように去って行った。



「……さて、私も会議がありますので」
「え」
「また今度、見せてくださいね」



出ていく時に俺に目配せしたのを見ると、気を使ってくれたようで。
俺と、心配そうに俺を伺う奈津と、衣装。



「着て、みる?」



苦笑いしながら言うと、赤い顔をした奈津は、ベッドに行ってカーテンを閉めた。



「きつかったら言ってなー」
「うん、」



衣擦れの音。
これはちょっと、やばいかもしれない。
妙な沈黙を破ったのは、奈津だった。



「こ、こう」
「ん?」



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