4
 

何日か経って、衣装が僕の手元にやってきた。



「これ、っ?」
「随分と可愛いですねえ」
「だろー?雑誌とか見て研究したんだ」



保健室で、春川くんが持ってきた衣装を皆で見た。
白いワイシャツに、リボンとか、スカートとか。
メイド服って言うらしいそれは、明らかに女のこが着るものだって、僕にもわかった。
満月先生も「楽しみですねえ」と言いながらニコニコしてる。
でも、



「だめだ」
「え?」
「だめだ、んな服!」



航は何やら、怒っているようで。



「なっ……どしたんだよ、高梨!」
「こんな……こんな服着せて人前にっ……」



……航は僕が、あまりに似合わないと思って、恥ずかしいのかもしれない。
確かに顔は赤いし。
航に恥はかかせたくないけれど、



「奈津」
「?せんせ、」
「高梨はね、奈津が可愛い服を着て自分以外の人に見られるのが、嫌なんですよ」



やきもちです、とこっそり耳打ちされて、僕も顔が赤くなるのがわかった。



前へ top 次へ

 
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -