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side.航
奈津がすんなり春川を受け入れたことに、俺は安心した。
新歓祭の話が、思いの外盛り上がる。
「じゃあ何するつもりなんだよ?」
「俺が考えてるのはー……」
勿体ぶるように、春川は目を瞑った。
「女装喫茶だ!」
「……は?」
「じょそう、?」
呆れた。
「楽しそうだろ!普通のじゃ面白くねーしさあ」
「それって、その、つまりお前も……俺も」
「あ、いやいや、全員じゃねえって!可愛い系の子をさー」
満月先生がくすくす笑っているのがわかった。
「その判断は、誰がするつもりです?」
「俺!……といいたいところだが、公平にみんなで投票に……」
奈津はきょとんとした顔をしている。
女装……奈津がしたら可愛いなーとか思ったり思わなかったり。
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