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side.満月



最近、保健室の住人が増えたようで。



「で、春川が新歓祭のリーダーになったと」
「そう!」
「しんかん……?」



奈津と、高梨と、春川竜也。
高梨と仲が良い春川は人懐っこく、奈津も数回の交流を通してすっかり慣れたようだった。
この調子でいつか教室に…と思うところだが、奈津に無害な人間だけとは限らない。
焦らず、焦らず、と。



「うちの高校、新歓祭って言って1年生が出し物するお祭りがあんの。学校に慣れたり、友達作ったりさ」
「……お祭り」
「そう。楽しそうでしょ」



奈津にとって負担になる話題かと思ったが、素直に受け入れたらしくほっとした。
高梨も同じことを考えたのか、表情がやわらいでいた。



「でな、出し物考えなきゃいけなくてー」
「お化け屋敷とか?」
「高梨ベタなこと考えるなー。……じゃなくてー」



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