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side.竜也



「んーっ……」



ひとつ伸びをして、俺は足をすすませた。
久しぶりのゆっくりした休み、俺はのんびり一人で過ごしていた。
今は本屋にDVD返しに行った帰り。
寮までもうすぐといったところ、



「……?」



寮の入り口前で、誰かがしゃがみこんでいた。
不自然なそれに、具合悪いのかと心配になって駆け寄った。



「だいじょ、……浅井?」
「っ、う」
「何泣いて……って裸足じゃんか、」



石か何かを踏みつけたのか、足の裏には血が滲んでいた。
泣きじゃくっている浅井はなんだか弱々しくて。



「どうした?高梨は?」
「たか、な……?」
「へ?航だよ、高梨航」
「こっ……こう、いない、のっ」



さらに泣き出してしまった。
あいつどこほっつき歩いてんだ。



「とりあえずここ危ないし、部屋に戻ろう?な?」
「やっ、!」
「うー……」



困った。



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