5
side.航
さて、どうしたもんか。
本日、土曜日。休日。
奈津は眠ったり、泣いたり、駄々こねたり、甘えたり。
今はソファに座って、俺の隣でうとうとしている。
昼下がりの午後。
ゆっくりとした時間。
「眠い?寝ていーよ?」
「ねむい……」
「ん、こっち頭乗っけな」
膝枕。
いつもは恥ずかしがるか申し訳なさそうにするだろうそれに、奈津は素直に従った。
くてん、と横になった。
「いーこ」
「ん……」
柔らかい髪を梳いてやった。
うとうととしていた奈津はすっかり寝入ってしまって。
「……どーすっかなあ……」
俺は一人、頭を悩ませた。
ついでにお腹が一つ鳴って、朝から何も食べていないことに気付く。
……奈津は寝てるし、家は何もないし、買ってくるか。
近くのコンビニだとそんなにかからない。
起こさないようにそっと奈津の頭を下ろした。
前へ top 次へ