4
 

「こう、起きて、こっ……」
「んー?」



ベッドに膝のりになって航の肩を揺すると、腕を取られてそのまま抱き込まれた。



「こう、違っ……あの、手紙っ」
「んー……ねむ……」



寝呆けているのか、航は僕を抱き締めて、頭を撫でている。
違うんだ、今は。
一緒に、手紙を。



「起きてってば、」



腕から抜け出して、肩を揺すって、



「一緒、手紙読ん」
「読まないよ」



はっきりと、聞こえる声。



「俺は読まないよ」
「え……?」
「奈津への、手紙だろ。一人でちゃんと読みな」



横になったままの航が、僕の手を撫でた。



「俺は、ここにいてやるからさ」



だから、心配すんな。



「……ん」



前へ top 次へ

 
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -