4
 

「ゲーム、さんきゅな。どうだった?」
「あ、えと……たのし、かった……」
「良かった。またなんか貸すな」



じゃあな、と春川くんは行ってしまった。



(僕、普通に)



びっくりした。
心臓がどきどきしてる。
ドアを締めて、鍵かけて、その場に座り込んだ。

人懐っこい顔を思い出す。
いい人、だった。
ほんわりした不思議な気持ちになっていると、ドアが開いた。



「わっ、びっくりした……どしたの、奈津」
「あ、さっき、ゲームを」
「……あー春川か。忘れてた。……って奈津が返してくれたの?」



部屋に戻りながら、航が意外そうに行った。



「ごめ、勝手に」
「や、いーよ。それより、大丈夫だったんだ」



飲み物を冷蔵庫にいれた航が、ソファに座る僕をぎゅうと抱き締めた。



「え、こう、」
「奈津すごい。春川と、喋れたんだ」



褒めるように、頭を撫でられた。
緊張したけど、確かに僕は話せたんだ。
航があんまり嬉しそうだから、僕も誇らしくなった。



前へ top 次へ

 
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -