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僕が泣き止むと、航が「ちょっと待ってて」と部屋の外に出てしまった。
ドアの近くで声が聞こえるから、何か話しているみたいだった。
ようやく冷静になって、僕は考えた。
(あの人、ゲーム、持ってきてた)
(航の友達……なんだろうな)
元気な人だと思った。
慌ただしいというか、明るいというか。
(僕と、正反対だ)
航は昼間、あんな人たちがいる世界で過ごしてるんだ。
僕といて、つまらなくないのかな。
(ダメだ、)
さっき、ちゃんと好きって言ってもらったのに。
好きって、伝えたのに。
不安になる。
これが正しいのか、なんて。
「うっ……ふぅ、っ……」
止まった涙が、出る。
なかなか開かないドアが、さらに不安を加速させた。
「こう、こうっ……」
早く、傍に来てよ。
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