2
 

がんがん、と何かを打ち付ける音で目を覚ました。



「ん………」



あ、ねこ、とまだ眠気のとれぬ目をこすって、部屋を見渡すと、



「なっ……」



一瞬、強盗でも入ったのかと思った。

机の上に置いていた書類はびりびりで、引き出しも落ちて散乱してしまっていた。
フローリングに散らばる白は、ティッシュペーパーらしい。
本棚から本が落下して、真下に山を作ってしまっていた。

寝ている間に地震でも起きたのかと考えて、



「にゃ、ぅ」
「あ」



声。

それは本棚の影から聞こえた。
ずたずたで微かに血が滲むタオルケットは空っぽで、逃げたのかとそっと近づいて、



「にゃあっ、にゃー…っ…」
「……!?」



そこには、ねこ。
いや、猫耳の―――ついでに尻尾も―――少年が、いた。



前へ 次へ

 
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -