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「う、う……」



重い。

そう感じて目を覚ました。



「………」



せっかくの休日を嫌な感じで目覚めた。
原因は、俺の腹の上で蹲って眠る、こいつのせい。
ぴく、と「猫耳」が動く。



「こら、ちゃんと自分のとこで寝ろ」



やわやわと耳を撫でると、眠そうな目をうっすら開けて、ぐりぐりと頭を寄せてくる。

猫の耳と、尻尾をもつ少年。
彼は紛れもなく猫であり、けれど人間でもあった。
流れのままに居座らせることにしたが、周囲になんと説明したらいいやら。



「りん、寝るなって」



また気持ち良さそうに寝ようとする、りん。
名前は俺がつけた。
ガキの頃に飼っていた猫と同じ名前。
兄弟みたいに過ごしてたのに、ころっと死んじゃったっけ。

りんは目をぐしぐしかきながら、俺の布団のなかに潜り込んでこようとした。



「あー……もう」



暖かいところがすきな、ねこ。
ぎゅ、と抱き締めてやると、柔らかく笑った。



「しょお、」



舌ったらずな声が、俺の名前を呼んだ。



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