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「よしっ、乾いた」



お風呂上がりの千夏の髪を乾かし終わり、ドライヤーのスイッチを切った。
俺の脚の間、ソファの上に座っていた千夏や、嬉しそうに体制を変えて抱きついてくる。

ぽんぽん、と背中を撫でてやると、首のほうにスリスリとすり寄ってくる。
シャンプーの良い匂いがした。



「ゆうじ、あったかい……」
「ん、眠たくない?」
「ない……」



いや、声は眠たそうだ。
しばらくしたらこのまま寝てしまいそうだなぁと思っていると、着信音が鳴り響いた。

半分眠っていたのだろう、千夏がぴくっと起きる。



「あ、ごめん、ちょっと」



机の上の携帯をひったくると、相手は生徒会役員。
千夏のこともあって生徒会の仕事は半減してもらっていて、けれど引き継ぎは中途半端だったから、周りに迷惑をかけているのはわかる。
電話も生徒会関係のものだろう、と思いながら出た。



「もしもし?」



膝の上に千夏を乗せて、頭を撫でながら電話をした。



「あー、その書類は……ちょっと待って」



千夏にごめんと謝りながらソファを立ち、デスクにあったファイルを探した。



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