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side.千夏



「奴隷のくせに。そんなに死にたいなら、死ぬほど苦しい思いさせてやる」



ご主人さまはそう言うと、僕のかみのけをひっぱった。
ずるずると風呂場につれていかれる。

お湯のたまった浴槽。
しにたかったはずなのに、ぞっとした。



「っ………!」



髪をつかまれたまま、浴槽にかおをうめられた。
いきができなくなる。

苦しい。
助けて。

意識がとおのきそうになると、ご主人さまが僕のあたまをあげる。
喘ぐようにさんそを吸うと、また、顔をつけられる。

何度も何度も。
しにたかったのに、しぬのは、苦しかった。



「どうだ? 苦しいだろう」



ご主人さまがにやにやわらうのがわかる。

このまま、苦しいのを耐えたら。
僕はしねるのだろうか。

一度しねばもう、苦しいことはない。



そう思って、何度目かのお湯のなか、僕は静かにめをとじた。



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