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side.千夏



しんでしまうことは、楽になること。
僕はようやく気づいて、実行した。

血を流せばしねると思った。
ご主人さまがいないときに、うでを切った。

痛かった。
でも、耐えられた。

うでは焼けるようにあついのに、頭はぼうっとして、手はつめたくなっていった。



もう二度と目がさめませんように。

そう願いながら、目をとじた。



「ふざけるな!!」



怒声と、頬のするどい痛みで目をさました。
ご主人さまだった。

うではぐるぐるに、包帯でまかれていた。



「死ぬなんて許さないからな!」



そう言いながら、僕を叩く。

しぬことさえ、叶わなかった。



「……何だその目は」



僕は、つかれてしまった。
ご主人さまが怒ることだって、どうでもよくなっていた。



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