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(いっ……てぇ)
それでも、十分ではないから。
千夏の痛みに比べたら、これくらい。
「ひっ……!」
暴れる千夏を構わず抱き締めた。
腕を突っぱねられても、離れないように。
力では敵わないと悟ったのか、俺の背中や腕に爪をたててくる。
それでも、離れないように。
「ちな」
ゆっくり背中を撫でてやる。
髪をすいて、耳元で呼んで。
「ちな」
震える身体は、小さくて。
「こ、こわ、ぃ……っ」
「うん」
「こわ、かっ……ゆめ……っ!」
「うん」
もう、夢は終わり。
「ここにいるよ」
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