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いつものように、ぱっと服を脱がせて、千夏の身体を洗った。
そのまま待たせて、俺も手早く済ませる。
空っぽなままだった湯槽には、お湯が貯まっている。
怯えるように千夏が固まっていたから、華奢な背中を撫でた。
「大丈夫、なにもしないよ。おいで」
抱くようにして、一緒に湯槽に入る。
びくっ、と震えて、千夏は俺の首に腕を巻き付けてきた。
背中の中程まで入って、そのままぽんぽん、と背中を叩いてあやす。
「熱くない?怖かったら、このままぎゅってしてていいから」
「っ………」
うるんだ瞳が、じっとこちらを見ていた。
お風呂のお陰か頬も微かに赤い。
「ね、怖くないでしょ」
軽く身体を揺らすと、少し慣れたように腕の力が弱まった。
男同士とはいえ、それなりに感情を持っている相手。
裸で抱き合って、しかも、
「あったかい……」
ふゃ、と笑う顔を見たら、平常心でいられないわけがない。
気付いたら首もとに顔を埋めていて、空いた手は細い腰を撫でていた。
(……ちょっと、だけ……)
ちゅ、と鎖骨を軽く吸うと、真っ白な身体に赤い痣がついた。
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