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「……変わったな」
「誰が?」
「お前」



これでも生徒会副会長の俺は、最近は千夏の様子も良好ということもあって、生徒会の仕事に復帰するようになった。
もくもくと作業をしていると、突然かけられた生徒会長の悠からの言葉に驚く。



「変わったって、どこが」
「雰囲気とか」
「……ふーん」
「遊ばなくなっただろ」



悠は俺が校内で遊んでたことを知ってる。
金はあったし、自分が気持ちよければそれでいいという、自分勝手な気持ちもあった。

それでも、今はそんなことできなかった。
誘われても断った。

そんなことをした手で、千夏に触れないと、なんとなく思ったから。



「……まぁ、忙しいし、な」
「例の弟?」
「まぁな」
「いつか会わせろ」
「ぜってー駄目」



法的には弟だけれど、なんとなく言葉に出されるとつっかかる。

弟だから、家族だから、大切で。
けれどそれ以上の感情があることも、十分わかっていたから。



「遊び人の裕二を更正させるほどの弟ねぇ……」



含んだ言い方と、小さな苦笑。



「今までつるんでたやつらが見たら何て言うか」
「……言ってろ」



小馬鹿にされているのはわかるけれど、事実だから言い返せない。
実際、俺の真ん中はすっかり千夏になってしまったから。



「帰るのか」
「あんまり遅いと、心配するからね。ごめん」
「……無理すんなよ」



からかっても、心配はしてくれる。
いつか会わせてやってもいいかなぁと、少しだけ思った。



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