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すぅ、と寝息をたてて眠る千夏の頭を撫でた。
俺の部屋のソファでくつろいでいたら、眠そうな顔をするものだから。
俺の膝に頭をのせて、寝かせた。
(髪、細いな……)
さら、とそれを指の隙間から流す。
ソファにすっぽりと入ってしまう千夏は、まだまだ小さな身体をしている。
16歳の平均とはほど遠い、華奢を通り越した、小さな身体。
体重だって、驚くほど軽い。
今までろくに食事も与えられない生活してきたんだ、当然だとも思う。
「……ん、」
もぞ、と千夏が身体を丸める。
寒いのかな、でも、何か取りに行ったら起こしちゃうかな。
そっと身体を持ち上げて、俺の膝に座らせた。
「ん、ん……」
千夏の頭を胸によせて、背中を撫でると、すりよってくる。
思わず、頬が綻んでしまう。
精神的にも、同年齢の子とはずいぶん違う。
まだまだ知らないことばかりで、怖いことばかりで。
「……ん、ぅ……」
このちいさなこを、どうしたら守ってやれるんだろう。
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