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(……あー……)



恐ろしく空が高い。

授業をさぼるのは正直久しぶりだった。
最近は授業には出ていたし、さぼるときは今のように一人ではなかった。

変わったのか、変えさせられた、のか。



(なんだよもう、ガキみてー……)



屋上の屋根の上は、誰もやってこない特等席だ。
寝転んで空を仰ぎながら、溜息を吐いた。

佐倉のことが好きだと気付いて、想いを伝えた。
けれどその直後、佐倉の恋人が現れた。

つまりはそういうことだったのだろう。
佐倉は俺の言葉に返事はしなかったが、それは佐倉なりの優しさだったのかもしれない。
もしくは何と言っていいのかわからなかったのかもしれない。

こんなふうにしてフラれるのは初めてだったし、思いのほか精神的に響いているのも、初めてだった。
あまりにもガキのように落ち込むものだから、自分で驚いた。



(もう今日は帰ろ)



朝のホームルームに佐倉はいなかった。
昨日の今日だ、例の母親の体調が思わしくないのかもしれない。

午前中のうちに学校を出ることを心に決めた瞬間、屋上のドアが開く音がした。



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