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「……汚れちゃったね」
血がついてしまったのだろう、雪村さんが申し訳なさそうに言いながら、ワイシャツに触れた。
ベッドに寝かされ、僕は動くことも出来なかった。
制服を脱がされていっても、抵抗すら出来なかった。
一瞬にして穏やかになった雪村さんが、いつ、どの瞬間に獰猛に変化するのかわからなかった。
射竦める目が、脳裏をよぎって怖かった。
「ただのクラスメイトじゃないね?」
はだけたワイシャツを肩に羽織っただけになって、雪村さんは話題を戻した。
露出した下半身を隠す余裕すらなかった。
怒らせないようにと、それだけしか考えられなかった。
「お、同じクラス、で」
「それだけ?」
「家に、遊びに来た、っうぁ、ッ」
「違うでしょ?」
慣らしていない後孔に指を突き立てられて、腰が引けた。
空いた片手でがっちりと固定され、逃げられなくなる。
「いや、やっ、いたいっ……」
「ちゃんと言って」
ぐりぐりと奥に入っていく指が痛い。
生理的な涙がじわりと出てきて、声が震えた。
「す……好きって、いわ、れた」
「……で?まさか応えたとか言わないよね?」
「っ、言って、ない」
「ふぅん」
「い、あぁっ!」
乱暴に指を引きぬかれて、皮膚が切れる痛みに悲鳴が漏れた。
ぼろぼろと涙が出る。
サイドボードからボトルを取り出した雪村さんは、僕の頬を流れる涙を舌で舐めた。
「痛かった?」
「ん、ん……」
「……彼の方は諦めてなさそうだったなぁ……」
半ば独り言のように呟いて、雪村さんは掌に落としたローションを、僕の後孔に塗りたくった。
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