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佐倉の休みがちな日々は、相変わらず続いていた。
学校に来ても、遅刻してくるか早退するかのどちらかだった。
「……佐倉」
「あ……」
昼休みも終わった、午後のことだった。
相も変わらずサボりを決めて帰ろうとしていたとき、偶然佐倉と会った。
授業中に鞄を持って廊下を歩いているところを見ると、早退するようだ。
「最近、調子悪ぃの」
「……だ、いじょうぶ、です」
それじゃあ、と小さく頭を下げて、俺の横を通り過ぎようとする。
思わずいらっときた。
一度も目を合わせようとしない。
「痛っ……」
「俺が何かしたかよ」
腕を掴んで引きとめると、佐倉は痛みに顔を歪ませた。
こんなに細かったかと思うくらいに、痩せてしまっているのがわかった。
「っ……はな、してっ……」
「おい、何で目ぇそらしてんだよ」
ぐっ、と小さな頭を掴むけれど、佐倉はかぶりを振って嫌がる。
「離せっ……やっ、はなせ、やだっ……!」
「っちょ、落ちつけって」
「ひっ、ぅ、いや……っ、はなしてっ……」
佐倉はそのままポロポロと、泣き始めてしまった。
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