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｢うわ、なんかショックだわ。いや、てか、俺そっちの趣味ねーけど｣
自分の表情なんて自分でわかるはずもなく、他人から指摘されるとなんだか恥ずかしくもある。
｢つーか、佐倉って売りやってたじゃん？龍、狙われてんじゃねーの｣
｢はぁ？別に言われたこともねーし……やめたっつってたけど｣
｢何で知ってんの｣
｢……やけにつっかかんね、お前。佐倉のこと嫌い？｣
淳は誰とでも仲良くなれるタイプだ。
人見知りをしないというか、人懐っこいというか、わけ隔てなく色んな人と話すことができる。
だからこうやって、敵意のようなものを見せつけられるのは初めてだった。
｢……別に｣
｢……なんかあったのかよ｣
｢何もねーけど｣
｢明らかおかしいだろ｣
淳は珍しく真剣な顔で、俺を見ていた。
｢なぁ、あいつはやめた方がいいって｣
｢……やめるもなにも｣
｢関わんない方がいい｣
｢根拠は｣
｢……なんかあいつ、不安定っつーか……｣
淳が言っていることは、わからなくもなかった。
佐倉にはどこか、危うさがある。
ふらっと消えてしまいそうな、危うさがあった。
｢……俺、龍がなんか影響されねぇか心配っつか｣
｢……あー……｣
言いたいことはわかるけれど、俺はそれよりも、佐倉の背景を知ってしまっている。
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