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「龍さ、佐倉のこと好きなの?」
「……はぁ?」



学校帰りに街に出てぶらついているときだった。
淳の突然の問いかけに、変な声が出た。



「なんだそれ。……つーか、あいつ男だろ」
「そうだけどさ。なんか、仲良くね?」
「……お前らとのがつるんでるだろ」
「そういう意味じゃなくて」



何を言っているのかよくわからない。
まさか、俺が佐倉のことを好いていて、構っているとでも思われているのだろうか。

男子校であるゆえに、同性同士のそれがないわけではない。
否定しているわけではないけれど、今の今まで女としか付き合ったことがない俺は、そっちの趣味はないと思っている。



「別に、好きとかそういうんじゃねぇけど」
「……ふーん」
「んだよ、俺そんな風に見える?」
「うん」
「は!?」



少なからずショックだ。



「どこが!」
「んー……なんか、ほら、笑うじゃん」
「普通だろ」
「佐倉のときだけ、笑い方が違うっつーか。ほら、あのバスケんときも、やけに必死だったし」



例の佐倉と言えば、スポーツ大会のときから休みがちになっている。
しばらく話していないくらいだった。



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