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「……なんのつもりですか」
「や、悪い……」
「もう、僕に関わらないで下さい……!」



そう言って踵を返そうとするので、思わず腕を引いて制してしまった。



「……なんですか」
「悪い、なんか、うまく言えねぇんだけど……」



自分が自分じゃないみたいだった。
少ない語彙から言葉を探すけど、うまく見つからない。



「……放って、おけなかったんだよ……」
「……それは、」



佐倉は、はっ、と笑う。



「僕に死ねと言ってるんですか?」



――『薬、買えないから』



「俺が、お前を買う」
「………冗談」
「じゃない。いくら」



ぐっ、と頭を引き寄せて顔を近づけると、佐倉はひどく怯えたような表情をした。
あぁ、こんな顔もちゃんと出来るんだなと、やけに冷静に安心した。



「放して、くださいっ」
「いくらっつってんだろ」
「嫌です、あなたは」
「なに、客選ぶわけ」
「そういう事じゃなくて」
「もしかして年上好き?そういうやつ相手じゃないと勃たねぇの?」



挑発的にいうと、佐倉はどん、と俺の胸元に拳をぶつけた。



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