4
 

沈黙が、怖かった。



「っやっぱり、」



口を開きかけた時、頭のてっぺんにキスされた。
固まってる間に、それは耳やこめかみや、まぶたに降りてきて。

くすぐったくて、温かい。
言葉なんて、いらない気がした。



「……好き」
「うん、」
「どんなお前でも、好きだから」
「うん……」



何回聞いたって、不安は全く消えることはなくて。
この腕の痛みさえ、止むことはなくて。

でも、



「あいしてる」



不安になる暇がないくらい、ずっとそばにいてくれるならば。
俺は、満たされていく。



「お、俺も、好き」
「ん」



わかってる、と言うような短い返事。



「樹、いつ、いつきっ」
「ん」
「ごめ、なさ……もうしない、も、終わりにする、」
「ん……」



いつかこの痛みが、消えるような気がして。



前へ top 次へ

 
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -