4
 

side.譲



「や、あのっ……違う、くて」
「………」



雨宮がわたわたと話し始めた。

同じクラスで隣人の榊が、風邪をひいてしまったこと。
心配で泊まっていったこと。

それだけなら、いい。
気遣いが出来るやつだから、心配だったのもわかる。
でも、よりによって榊。



「何もされてないだろうな?」
「なにっ、何を」



ほら、わかってない。
俺も言ったりしないけど。

榊は、雨宮のことが多分好きだ。
授業中、ぼんやり見てることが多い。



「な、僕はただ、看病にっ」
「まさか一緒に寝たわけないよな?」
「ちがっ……僕はソファで、」
「………どっちが先に起きた?」
「え……榊、くん」



ばっちり寝顔、見られてんじゃねぇか。

そして、はっと気付く。



「あ、の、野郎っ……」
「っえ、ひゃぁっ」



ちらりと、髪に隠れた首筋。
赤い、跡があった。

寝ているときにでもされたのだろう。
雨宮を疑う気はさらさらない。
嘘をつけないやつだから。



「やっ、せんせ……っ」
「鈍感なんだよ、跡つけられてる」
「えっ!?」



悔しくて、腹が立って。
赤い印のうえに、俺のを重ねる。



前へ top 次へ

 
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -