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side.藍二



高城さんと出会って2週間。

学校帰りの僕を必ず迎えにきてくれる。
少しだけ一緒に過ごして、暗くなる前に家に送ってくれる。



……なんだ?
全く、殴られない。

高城さんはいつも笑ってて。
嬉しそうに、僕を抱き締めてくれて。

なん、なんだ。



「じゃあな」



大きなバイクに跨がったまま、高城さんは僕を片手で抱き寄せる。
夜も近づいてきた時間。
僕の家は、目の前。



「……さ、さよなら、」
「ん」
「………」
「……藍二、」
「なっ、なん、ですか、」



びくびくしながら顔を上げると、泣きそうに笑った高城さんの顔。



「もう、明日から会わない」
「……え……?」
「お前、俺のこと怖がってんだろ。……そうだよな、脅されて渋々って感じだし」



後半は、声が小さくて聞こえなかったけれど。



「今まで、楽しかった」



少しだけ、顔が近付いて。
触れるだけの、キスをして。

高城さんは、いってしまった。



次の日から、高城さんは、迎えに来なくなった。



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