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side.藍二
14歳の中学生の僕にとって、有り得ない話だった。
しかも、おと、おとこ……
お兄さんの名前は、高城と言った。
殴られる、殺される!と思った僕は、顔面真っ青のままこくこくと頷いて。
そうして、お付き合いを、することになってしまって。
「お前身体かってーの」
「あう……」
そりゃ、緊張もします。
高城さんの部屋に呼ばれて、後ろから抱き締められているから。
いつ後ろから鈍器で殴られるか……。
このまま、なのかなぁ。
ずっと、付きまとわれて。
いつかは殴られたり。
「……お前さぁ」
「はっ、はいぃっ!」
「俺のどこが好き?」
……ええと。
好きとか、そういうんじゃなく…。
いや、ここで何か言わないと。
ほら、段々怖い顔になってる!
「か、かっこいい、とこ、とか」
確かに、高城さんはすごくかっこいい。
睨みを効かせたら怖いけれど、顔自体は整ってるんだ。
僕と10も歳が違う高城さんは、ひょろひょろな僕とは違って、背も高いし筋肉もある。
言うと、高城さんは少しだけ顔を赤くした。
……変なの。
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