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side.藍二
学校帰りのコンビニ。
冷たくなった手を温めるために、ホットココアを買って。
ぬくぬくと両手に包んで。
小さなペットボトルのキャップを開けたわけです。
そこで、事件が置きました。
「あ」
気づいたときには、身体が傾いで。
転けたんだと後から理解して。
目の前で開いたキャップから飛び出した、茶色の液体。
その先に、人、が、
「だああああああっ!」
「!?……!?」
転んで床に這いつくばったままの僕の身体が、ぐん、と浮かんだ。
「てめぇ人になにぶっかけてんだあぁ!?弁償してくれんだろうなぁ!?」
金髪の、怖い顔したお兄さん。
喧嘩慣れしたような雰囲気。
あぁ、僕の馬鹿!
「ごめんなさいごめんなさいっ、弁償、しまっ、あの、クリーニング」
殴られる!と思って目をぎゅっと瞑る。
けれど、相手からかかる言葉はなく。
恐る恐る、目を開けた。
「……?」
胸ぐらを掴まれた体勢のまま。
目の前にあるお兄さんの顔。
ぼっ、とそれが赤くなった。
「………お前、俺と付き合え」
「………はい?」
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