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side.恭平



最近、朝起きていつも思うこと。



「……また眠れなかったのか」



寝起き眼でリビングに向かうと、マグカップを両手で包んだ満月が、ソファの上でにこりと笑う。

それだけ。
満月は自分から、何も言おうとしなかった。



「薬、ちゃんと飲んでるのか」
「うん」
「……合わなくなってきてるとか」
「……さぁ」



大丈夫、と満月は笑う。

その笑顔に無理はない。
けれど、消えていきそうなそれは、俺をどんどん不安にさせる。



「さ、行かなくちゃ」



ここのところ、学校で風邪が流行っていて、保健医の満月は大忙しだ。
倒れなければいいが、と思うけれど。



「恭平も早く顔洗ってきなよ」



そういう満月の顔には、薄く隈が見えていた。



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