3
side.葵
「ん、ぅ、ンっ」
苛立ちを表すように、朝倉さんの動きは荒い。
僕はただうつ伏せになって、シーツを噛んでそれに耐える。
シーツを握り締める手が、痛い。
「んぅ、んんっ、んー…っ!」
意思に反して、僕の身体は快楽に溺れる。
朝倉さんも限界が近いのか、動きが早くなる。
僕が欲を吐き出す頃には、握り締めすぎたのか爪が手に食い込んで、シーツに血がついていた。
また、怒られるかもしれない。
頭が、ひどく痛い。
「……は、」
朝倉さんが短く息をついて達して、僕のナカから出ていく。
早く、どこかに行ってくれ。
吐き気に絶えながら、目を瞑って願う。
朝倉さんは動けなくなった僕をおいて、水を飲みに行くのか、ベッドから出ていく。
それが、合図になった。
「う、っ……」
裸だとか、足を伝う白濁だとか、気にしてられなかった。
痛む身体を無視して、ふらつく足を叱咤して、寝室から飛び出た。
途中で朝倉さんに名前を呼ばれた気がする。
立ち止まっていられない。
たどり着いたトイレで、崩れ落ちた。
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