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side.葵



ひどく、気持ちが悪い。



「朝倉さ、ちょ、今日は、」
「あ?」
「体調が、」



朝倉さんは僕の上に覆い被さったまま、は、と笑う。



「……もっと上手い嘘つけねーのかよ」
「え……?」
「俺が何も知らないと思ってんのか」
「いっ……!」



首もとに噛みつかれる。
朝倉さんの言ってる意味がわからない。

嘘?
何も知らない?

わからないけれど、苛立っているのがわかる。



(……も、いいや……)



頭が痛くて、考えることすら辛い。

終われば、帰れる。
そこまで我慢すればいい。

朝倉さんが僕の服を剥ぎ取って、僕は静かに、目を瞑った。



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