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side.和志



「ごめん、ちゃんと、言えなくて」
「わ、わか、ない……ぼく、」
「?」
「きらい、じゃ、ない……?」



問い掛ける、小さな声。



「……俺、槙と一緒にいると……正直、我慢、できなくなる」
「が、まん……?」



あぁ、もう。
この天然は。



「たくさんキスして、抱き締めて……それ以上のことも、したくなる」
「っ……!」
「でも、傷つけたく、なかった……だから、」



槙は、顔を真っ赤にしていた。
可愛くて、頬にキスをした。



「嫌いなわけない、好きで、我慢できなくて、でも、大切にしたかった」



ちゃんと言えてなくて、不安にさせて、ごめん、とまた抱き寄せた。
槙の鼓動、すごく速い。



「あの、あのね、」
「ん」
「ぼく、和志くんの、こと、好き……」
「……ん」
「すき、大好き、だからねっ……」
「っ槙、」



ぎゅうぎゅう抱きつかれる。
こんなに可愛い、こんなに不器用な自分のことを好きでいてくれる、愛しい存在。

不安にさせて、泣かせた。



「ん、俺も、好き」



口にするのは恥ずかしいけれど、伝えないと、伝わらない。



「和志くん、すき、だから、」
「ん?」
「ぼく、いいよ、和志くん、なら」



あぁ、もう。
この天然は。



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