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side.槙



学校から離れたところで、ようやく手を繋がれた。
黙って、和志くんの後ろをついていく。

これがいつもの光景だった。
和志くんはそんなにお喋りな方じゃないし、僕だってそうだ。

前は、これだけで安心した。
一緒にいられるだけで良かった。
最近は、なにかが違う。

不安に、なる。



「……じゃ、またな」



家の前まで、和志くんが送ってくれた。
周りを少しだけ見て、誰もいないのを確認すると、ちゅ、と軽くキスをしてくれた。

そういえば、前よりも部屋に遊びに来ることもなくなった。
街に遊びに行くことも少なくなった。
そうして今日も、和志くんは、帰ってしまう。

本当は、一緒にいたいのに。
僕の我が儘だから。
何も言えないまま、飲み込む。

和志くんは、違った?
僕と、一緒にいたくない?
僕が告白したから、遊んでるだけ?



「和志、くんっ……」



小さくなっていく背中に声をかけると、ん?と振り向いてくれた。
その顔が優しくて、ぽろ、と何故か涙が出た。



「……っ槙、なに、どうした」
「っふ、ぅ、え……っ」
「泣くな、部屋、入ろ」



和志くんが僕の制服のポケットから鍵を出して、家に入った。
僕は涙が止まらなくて、引きずられるままに、僕の部屋のベッドに座らされた。
ぽんぽん、と頭を撫でられる。



「何、どうした」
「っご、ごめ、」



言えない。
聞けない。

でも、不安は大きくなる。



「和志、くん、は……僕のこと、きらい……?」



和志くんの手が止まった。



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