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side.葵



「……俺が、怖いか」



そう言った朝倉さんの声が、微かに震えているのがわかった。

背中を撫でる大きい手も、優しい声も。
寝ているときと同じように、抱き締めてくれる、腕も。

僕は、知っている。
本当は、朝倉さんは優しいことを。



「こ、このまえ、知らなっ……」
「………」
「知らない、ひと、に……っ」



震えて声が出ない。
ぎゅ、と腕のちからが強くなるのがわかった。



「こわ、かっ……おもい、だす、から……ごはん、たべて、は、吐いて、」
「っ………」
「な、で、僕ばっかり……?」



必要とされない。
僕はごみ箱のようなもの。



「……怖かったな」



耳に、頬に、額に、キスされる。



「俺が、そばにいる……」



僕を、必要としてくれるのは、



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