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side.朝倉



弱々しい葵に、内心は動揺していてどうしていいかわからない。



「ふ、ぅ……っえ、」
「!」



泣き出してしまった。



「ど、うした」
「っく、ぅ、」
「過呼吸になって驚いたのか」



努めて優しく耳元で話すと、俯いたままの葵がぽつりと呟いた。



「こ、わ……っ」



かたかたと震える身体に、俺はそっと、腕を回した。



「……怖い夢でも見たか」
「っ、おもい、だした、」
「何を」



言うと、葵は離れるように腕を突っぱねてきた。



「や、やっ……」
「馬鹿、暴れるな」
「こわ、や、怖いっ……」



ばた、と暴れる葵を一旦離し、また抱き込んだ。
ひ、と息を飲む声が聞こえた。



「……俺が、怖いか」
「っ……」



もう葵は、暴れなかった。



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